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2019年03月26日印刷はこちらから医薬品

造血幹細胞移植前治療薬「リサイオ」の製造販売承認取得について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、3月26日付けで、「小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療」を効能・効果とした「リサイオ®点滴静注液100㎎」(一般名:チオテパ)の国内における製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。当社は「リサイオ®点滴静注液100㎎」を薬価収載後に発売する予定です。

チオテパは、エチレンイミン系に属する抗腫瘍性アルキル化剤で、DNA合成阻害作用を有します。国内では1958 年に「テスパミン注射液」として住友化学工業株式会社(現、住友化学株式会社)が販売を開始し、1984 年に住友製薬株式会社(現、大日本住友製薬株式会社)に承継されました。しかし、2006年以降原薬供給が中止されたため2009年に「テスパミン」の製造を中止し、2010年に承認整理を行ったため、現在国内では販売されていません。

国内販売中止後、2010年に欧州でチオテパ製剤が造血幹細胞移植の前治療薬として承認されたこともあり、学会等から臨床使用について多くの要望が出されました。それを受け、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」においてチオテパは医療上の必要性が高いと判断され、厚生労働省から開発企業の募集が行われました。当社は2013年9月に厚生労働省に開発の意思を申し出、2016年11月より薬物動態試験として国内第1相試験を実施し、その試験結果を含めて2018年7月に申請していました。なお、当社は「リサイオ®」の「悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療」を効能・効果とした申請の準備を進めています。

当社は、このたびの承認取得により、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされない医療ニーズ)の高い、自家造血幹細胞移植の前治療を必要とする小児悪性固形腫瘍の患者さんに新たな治療選択肢をお届けし、医療に貢献できることを期待しています。

(ご参考)

「リサイオ®点滴静注液100㎎」の概要

【販売名】 リサイオ®点滴静注液100㎎
【一般名】 チオテパ
【剤形・含量】 1バイアル(2.5ml)中 チオテパ 100㎎
【効能・効果】 小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療
【用法・用量】 メルファランとの併用において、通常、チオテパとして1日1回200㎎/㎡を24時間かけて点滴静注する。これを2日間連続で行い、5日休薬した後、さらに同用量を2日間連続で行う。なお、患者の状態により適宜減量する。

【自家造血幹細胞移植について】

自家造血幹細胞移植とは、抗がん剤や放射線照射を極量まで増やす骨髄破壊的な前治療を行って難治がんを根絶した後に、患者さん自身の正常な造血幹細胞を経静脈的に輸注して造血能の再構築を図る補助療法です。ドナーの造血幹細胞を用いる同種造血幹細胞移植と異なり、移植された造血幹細胞による免疫反応を懸念する必要がないため、自家造血幹細胞移植における前治療の目的は、骨髄の最大耐用量を超える抗がん剤を用いた大量化学療法で、腫瘍細胞をできる限り根絶させることです。一般社団法人日本造血細胞移植データセンターによると、国内の造血幹細胞移植件数は、1986 年~2016年までの累積で93,902件、そのうち自家造血幹細胞移植は33,527件報告されています。

【小児悪性固形腫瘍について】

小児がん診療ガイドライン2016年版によると、国内の小児がんの年間発症数は約2,500名とされ、また、日本小児血液・がん学会の疾患登録数(2015年)によると、白血病などの造血器腫瘍を除く固形腫瘍疾患の登録数(小児悪性固形腫瘍を含む)は904名とされています。小児悪性固形腫瘍は成人の固形腫瘍と比較して化学療法に対する感受性が良好であり、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法の有効性に期待が寄せられ、日常臨床の一環として移植が実施されています。一般社団法人日本造血細胞移植データセンターによると、小児の固形腫瘍(小児悪性固形腫瘍を含む)における造血幹細胞移植件数は、1991~2016年までの累積で3,276件、そのうち自家造血幹細胞移植は3,058件報告されています。

【医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議について】

「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、欧米等では使用が承認されているが、国内では承認されていない医薬品や適応について、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発を促進することを目的として設置された会議です。厚生労働省が主催し、医学的・薬学的な学識経験者で構成されています。

以上