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2018年09月10日印刷はこちらから研究開発

非定型抗精神病薬「ロナセン」テープ製剤のフェーズ3 試験結果に関する学会発表について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博、以下「大日本住友製薬」)は、日東電工株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:髙﨑 秀雄)と共同開発し、現在、日本において製造販売承認申請中の非定型抗精神病薬「ロナセン®」(一般名:ブロナンセリン)のテープ製剤(以下「本剤」)のフェーズ3試験(検証的試験・長期投与試験)の結果について、WFSBP 2018 KOBE(アジア太平洋地域生物学的精神医学会国際会議、開催時期:9月7~9日)においてポスター発表しましたので、お知らせします。

演題 Blonanserinテープ製剤(DSP-5423P)の急性期統合失調症患者を対象とした検証的試験[第3相試験]
発表者 岩田 仲生(藤田保健衛生大学医学部 精神神経科学講座 教授)
試験デザイン 急性期統合失調症患者に本剤40mgまたは80mgを1日1回6週間貼付したときのプラセボに対する有効性をランダム化/プラセボ対照/二重盲検群間比較による多施設国際共同試験で検討しました。
有効性 主要評価項目である投与6週間後の陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアのベースラインからの変化量において、ランダム化された580名のうち(本剤40mg/日群:196名、80mg/日群:194名、プラセボ群:190名)、主要な解析対象集団 (modified ITT)である577名での本剤40mg/日および80mg/日群は、いずれもプラセボ群に対して有意な低下が認められました〔PANSS 合計スコア変化量:本剤40mg/日群 -16.4(Adjusted p=0.007)、80mg/日群 -21.3(Adjusted p<0.001)、プラセボ群 -10.8〕。
安全性 本試験での本剤貼付群の有害事象は皮膚関連事象も含め全般的に軽度であり、有害事象による中止割合は本剤40mg/日群が8.7%、80mg/日群が6.2%、プラセボ投与群で8.9%でした。
結論 本剤40mg/日および80mg/日の1日1回、6週間貼付は、急性期統合失調症に対して有効であり、プラセボに対して有意な差が示されました。また、安全性および忍容性が確認できました。

*本検証的試験の速報結果については、2018年2月14日付けのプレスリリースでお知らせしています。

演題 Blonanserinテープ製剤(DSP-5423P)の統合失調症患者を対象とした長期投与試験
[第3相試験]
発表者 岩田 仲生(藤田保健衛生大学医学部 精神神経科学講座 教授)
試験デザイン 日本人統合失調症患者に本剤40mg~80mg(flexible dose)を1日1回52週間貼付したときの安全性を無対照非盲検で検討し、併せて有効性や薬物動態も確認しました。なお、本試験の貼付開始方法は「前治療抗精神病薬を中止し6 週間のロナセン®錠の単剤投与を経て、本剤貼付に切り替える場合(コホート1)」と「前治療抗精神病薬を中止して本剤貼付を直ぐに開始する場合(コホート2)」の2通りを設定しました。
有効性 PANSS合計スコアの平均値は本剤貼付開始時から安定しており、精神症状の悪化は認められませんでした。また、血漿中ブロナンセリン濃度は本剤貼付量(採血時)に依存して増加し、貼付期間内での貼付量/血漿中濃度の関係は変わりませんでした。
安全性 本剤の貼付を開始した200名(コホート1:97名、コホート2:103名)の有害事象発現割合は87.0%(174/200 名、748件)であり、「重篤なもの」が6.0%(12/200名、13件)、「中止に至ったもの」が14.0%(28/200名、34件)でした。また、コホート1および2における有害事象の発現割合は同程度でした。
結論 本剤40mg~80mg/日の長期間貼付による安全性と良好な忍容性が示され、2つのコホートにおける有害事象の発現割合は同程度でした。また、安定した有効性や血漿中濃度推移が確認できました。

当社は、本剤の有効性および安全性ともに良好な結果を示したこれらの試験結果を基に、2018年7月31日付けで、日本において本剤の製造販売承認を申請しました。当社は、本剤が承認されれば、統合失調症に対する新たな投与経路を持つ治療選択肢を提供し、Shared Decision Making(SDM:患者さんと医療者等が共同で治療方針の意思決定を行うこと)の推進および服薬アドヒアランスの向上に寄与できるものと期待しています。

*本剤の製造販売承認申請については、2018年7月31日付けのプレスリリースでお知らせしています。

以上

(ご参考)

【陽性・陰性症状評価尺度(PANSS : Positive and Negative Syndrome Scale)】

主として統合失調症の精神状態を全般的に把握することを目的とした評価尺度。陽性尺度7項目、陰性尺度7項目、総合精神病理尺度16項目の合計30項目で構成され、各項目は1(症状なし)から7(最重度)までの7段階で評価されます。

【「ロナセン®」テープ製剤について】

「ロナセン®」は、当社が創製した経口の非定型抗精神病薬であり、統合失調症を適応症として2008年4月より国内で販売されています。ドパミンD2およびD3受容体ならびにセロトニン5-HT2A受容体に対する親和性を有しており、臨床試験において、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)に対する改善作用が示されています。
「ロナセン®」の薬物動態の更なる安定化を図るため、当社は、経皮吸収型テープ製剤の設計技術を有する日東電工株式会社と2010年より共同開発を進め、2018年7月にテープ製剤の国内における製造販売承認申請を行いました。
本剤は1日1回、皮膚に貼付することにより24時間安定した血中濃度を維持できるため、良好な有効性および安全性が期待できます。また、テープ製剤の特徴から、投薬中であることを視認できるメリットに加え、食事の影響を受けにくいことから、食生活が不規則な患者さんや経口服薬が困難(嚥下困難等)な患者さんへも投与可能な製剤です。