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2018年06月25日印刷はこちらから研究開発

アポモルヒネ塩酸塩水和物(APL-130277)のフェーズ3試験データを米国の学会において発表

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)は、2018年6月23日(米国東部時間)、第2回全米パーキンソン病・運動障害学会(MDS-PAS:Pan American Parkinson's Disease and Movement Disorders Congress、開催場所:米国フロリダ州 マイアミ)において、米国で承認申請中のアポモルヒネ塩酸塩水和物を有効成分として含有する舌下投与フィルム製剤(開発コード:APL-130277、以下「本剤」)のフェーズ3試験(CTH-300試験、以下「本試験」)の詳細データをポスター発表しましたので、お知らせします。

本試験結果の速報については、2018年1月30日に開示しています。本試験結果は、米国食品医薬品局(FDA)が受理した本剤の新薬承認申請資料に含まれており、2018年6月13日に開示した通り、本剤の処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、2019年1月29日です。

本試験は、朝のオフ症状を含む運動症状の日内変動(オフ症状)を伴うパーキンソン病患者を対象に、本剤を評価するために実施したランダム化、プラセボ対照二重盲検比較フェーズ3試験です。
本試験において、本剤投与群は、プラセボ投与群と比較して主要評価項目(12週間後における、投与30分後のMDS-UPDRS Part Ⅲスコアの投与前からの平均変化量)を統計学的に有意に改善(変化量の差:7.6)し、また、投与15分後から統計学的に有意な改善が認められ、最後の観察時間である投与90分後まで持続しました。同様の効果が、0週、4週および8週時点でも認められました。また、重要な副次的評価項目(12週間後における投与後30分以内のオン状態の患者の割合)についても、本剤投与群はプラセボ投与群と比較して、統計学的に有意に大きな割合を示しました。

本剤に関連する有害事象の大部分は、軽度から中等度であり、重篤ではなく投与中止によって改善するなど総じて良好な忍容性を示しました。本剤の用量漸増後の維持期における主な有害事象は、吐き気(27.8%)、眠気(13.0%)、めまい(9.3%)でした。

Georgetown University Hospital(ジョージタウン大学病院)のMovement Disorders Program(運動障害プログラム)のディレクターであるFernando L. Pagan(フェルナンド・L・パガン)医師は、次のように述べています。「オフ症状は、患者さんの日常生活に支障を来す可能性があるため、症状を緩和することができる可能性のある治療は、パーキンソン病の患者さんやそのご家族、医療提供者にとって重要です。本試験結果は、あらゆる種類のオフ症状を必要に応じて管理する、即効性のある薬剤として本剤が有望であることを示しています。」

サノビオン社のExecutive Vice President and Chief Medical Officer, Head of Global Clinical Development for Sumitomo Dainippon Pharma GroupであるAntony Loebel(アントニー・ローベル)は、次のように述べています。「本剤のフェーズ3試験結果から、本剤がパーキンソン病に伴うオフ症状に対して重要で新しい治療選択肢の一つとなることが期待できます。当社は、本剤の新薬承認申請がFDAに審査され、オフ症状を抱えるパーキンソン病患者さんに対して本剤を届けられることを待ち望んでいます。」

※ MDS-UPDRS(Movement Disorder Society Unified Parkinson's disease Rating Scale) Part Ⅲ:
パーキンソン病における運動能力の評価指標として用いられています。

(ご参考)

【APL-130277について】

本剤は、アポモルヒネ塩酸塩水和物(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する新規の製剤であり、パーキンソン病に伴うオフ症状を必要に応じて管理するために、1日5回まで服用できる即効性のある舌下投与のフィルム製剤として開発されています。アポモルヒネ塩酸塩水和物は、進行性のパーキンソン病に伴う運動性低下のオフ症状(ウェアリングオフ現象、予測できないオン・オフ症状)を一時的に改善するレスキュー薬として米国において唯一承認されている有効成分ですが、皮下投与の注射剤しか承認されていません。
本剤は、パーキンソン病患者さんのオフ症状を速やかに改善することが期待されており、パーキンソン病に伴うオフ症状の治療について1日5回までの服用による臨床試験が行われました。
2016年10月に、サノビオン社がカナダの医薬品ベンチャー企業であるCynapsus Therapeutics Inc.を買収し、本剤を獲得しました。
マイケル・J・フォックスパーキンソン病リサーチ財団は、本剤の健常人を対象とした生物学的同等性試験およびパーキンソン病患者を対象とした用量反応試験の2つのフェーズ1試験の一部の資金を提供しています。

【CTH-300試験について】

CTH-300試験(NCT02469090)は、レボドパに反応を示すオフ症状を伴うパーキンソン病患者を対象に、本剤の有効性、安全性および忍容性を評価するために実施した、12週間のランダム化、プラセボ対照二重盲検比較フェーズ3試験です。主要評価項目は、本剤の用量漸増後の維持期における投与開始から12週間後における投与30分後のMDS-UPDRS Part Ⅲ(運動能力検査)スコアの投与前からの平均変化量であり、重要な副次的評価項目は、本剤の用量漸増後の維持期における投与開始から12週間後における投与後30分以内のオン状態の患者の割合でした。

【パーキンソン病およびオフ症状について】

米国では100万人以上、世界では400万人から600万人がパーキンソン病に罹患していると言われています。パーキンソン病は、安静時の振戦(ふるえ)、固縮(筋肉の硬直)および運動障害を含む運動症状ならびに認知障害および気分障害を含む多くの非運動症状を特徴とする慢性かつ進行性の神経変性疾患です。アルツハイマー病に次いで2番目に多い神経変性疾患であり、パーキンソン病の有病率は、人口の高齢化に伴い増加しています。
オフ症状は、適切な薬物治療を行っていても生じるパーキンソン病症状で、常に症状が現れる可能性があり、朝の起床後にしばしば、また、一日を通して周期的に現れます。オフ症状の発現時には、患者さんの日常生活の活動を妨げ、患者さん、家族および介護者にとって負担となり得る、振戦(ふるえ)、固縮(筋肉の硬直)、動作緩慢などの症状を呈します。パーキンソン病患者さんの40%から60%の方々がオフ症状を経験しており、症状の発現頻度および重症度は、疾患の経過とともに悪化する可能性があります。

以上