大日本住友製薬 統合報告書 2019
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 後期開発品であるナパブカシンの開発を着実に進め、早期の申請・承認・上市を目指します。初期開発品目は先端的テクノロジーなどを駆使し、早期にPOCを取得し、オンコロジーフランチャイズを確立します。<主な後期開発品目>ナパブカシン(BBI608) 新しいメカニズムの低分子経口剤で、がん細胞に発現する酵素NQO1によって生体内活性化を受け、活性酸素種を産生することでSTAT3を含むがん幹細胞性やがんの増悪に関わる経路を阻害し、最終的にはがん細胞を死に至らしめると期待されています。 結腸直腸がんを対象とした併用での国際共同フェーズ3試験を着実に進め、2021年度中の日米での上市を目指しています。<主な初期開発品目>Alvocidib(DSP-2033) 低分子のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)9阻害剤です。がん関連遺伝子の転写制御に関与しているCDKファミリーの一つであるCDK9を阻害することによって、抗アポトーシス遺伝子であるMCL-1を抑制し、抗腫瘍作用を示すと考えられています。 急性骨髄性白血病(AML)の再発・難治性患者を対象とした国際共同フェーズ2試験(併用/Zella 201試験)を実施しています。また、AMLの初発患者対象にフェーズ1試験を開始しており、骨髄異形成症候群(MDS)の臨床試験も実施中です。日本においてもAML対象の臨床試験を実施中です。がん領域の優先課題TP-0903 AXL受容体チロシンキナーゼ阻害剤です。抗がん剤への耐性やがんの転移などに関与するとされているキナーゼの一つであるAXLを阻害し、間葉系細胞様の性質への移行を妨げることによって、さまざまながん腫の細胞に対する抗腫瘍作用を示すと考えられています。 米国で慢性リンパ性白血病を対象としたフェーズ1/2試験、米国および日本で固形がんを対象としたフェーズ1試験を実施中です。TP-0184 TGFβ 受容体スーパーファミリーの一つであるACVR1(activin A receptor type 1、別名:ALK2)キナーゼを阻害します。ACVR1遺伝子変異は、びまん性内在性橋膠腫(DIPG;小児に多く認められる脳腫瘍の一種)をはじめとする複数の腫瘍で報告されています。 米国で固形がんを対象としたフェーズ1試験を実施中です。■ 2019年度のイベント/目標2019年7月時点で完了したイベント/目標:  ナパブカシン:結腸直腸がん、  膵がんの国際共同フェーズ3試験を推進    2019年度上期に中間解析実施     結腸直腸がん:2019年6月の中間解析の     結果、独立データモニタリング委員会(DSMB)     より試験継続の推奨を受領     膵がん:2019年7月の中間解析の結果、     DSMBより試験の中止勧告を受領■ 2033年の目指す姿数品目のグローバル製品を保有し、世界での「DSPオンコロジー」ブランドの確立を目指します。 大日本住友製薬株式会社 統合報告書201930

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