大日本住友製薬 統合報告書 2019
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他社に比べて活発に人事ローテーションを実施している印象があります。これも組織における人材の多様性を高めようという狙いなのでしょうか。多田 はい。「挑戦的企業文化の醸成」に向けた施策として、部長職に限らずいろいろな階層で積極的にジョブローテーションを実施しています。私は、自分自身の経験からも“人間が最も成長するのは新しい環境に移ったとき”という信念を持っています。異動して新しい職場に入ったとき、人はその環境に順応するためにものすごく頭脳を働かせます。新たなミッションを達成するためにいろいろと勉強するし、新たな人間関係を築いていくことになります。そうした新しい体験が刺激になって成長を促すのです。また、違う部門で経験を積んだ人材が加わることで職場も活性化されます。一方、その人材を送り出した前の職場にとっては、多少の戦力ダウンになるかもしれませんが、しばらくすれば前任者の異動でチャンスを得た新しい人材が成長して穴を埋めてくれるはずです。兵庫 適切なジョブローテーションは、本人にとっても組織にとっても大きな活性化効果が期待できるということですね。ただ製薬企業の場合、高い専門性が求められる職種が多いでしょうから、2年から4年で異動したのでは、専門的な能力・経験が十分に身につかないのではないでしょうか。多田 おっしゃる通り。そうした問題を解決するため、当社では人事制度を改定し、2016年度から幹部社員向けに人材戦略会議で次世代のリーダー候補を発掘する。2種類のキャリアパスを提供しています。1つが卓越した個の力によって成果を最大化するPC(プロフェッショナルコントリビューター)職であり、もう1つが専門的な組織運営力で成果を最大化するPM(プロフェッショナルマネージャー)職です。兵庫 社員の働き方や会社に求めるものも時代とともに変化しているのですから、人事制度や人材育成のプロセスも柔軟に変えていく必要がありますね。多田 教育システムについてもいろいろ見直しを加えています。従来は全体的な階層別研修が中心だったのですが、これに加えて2016年度から「挑戦」を促す育成システムとして「DSP Academy」をスタートさせました。これは若手から中堅、管理監督職の各階層において、向上心があり将来の幹部候補となる潜在能力のある社員を対象にした選抜型の研修プログラムです。兵庫 どのくらいの人数を選抜しているのですか。多田 将来の経営者養成を目指す「経営塾」をはじめ、次期部門長候補、次世代リーダー候補、優秀人材の早期発掘と4階層あるのですが、2016年からの5年間で合計約400名の参加を見込んでいます。今後も社員の個の能力を高める教育プログラムを一層充実させることにより、当社グループの成果を確実に創出できるプロフェッショナル集団にしていきます。兵庫 先ほど人材の多様性の話題が出ましたが、今後、女性活躍をはじめとするダイバーシティ&インクルージョンをどのように推進していく方針ですか。多田 女性活躍に関しては順調に進展しつつあると考えています。当社では、現在、執行役員に2名女性を登用しているのを筆頭に多くの女性が重要な役職で活躍しており、キャリアアップを目指す女性にとって格好のロールモデルとなっています。特集:会長対談23大日本住友製薬株式会社 統合報告書2019

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