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低炭素社会構築への貢献

省エネおよび二酸化炭素の排出量削減の取り組み

当社は日本政府のカーボンニュートラル宣言を支持し、今後進展が期待される省エネ・CO2削減技術や普及・拡大が見込まれる再生可能エネルギーを積極的に採用して脱化石燃料化を図ることにより、2050年度までに温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)をゼロにすることを目指します。

2020年度は、気候変動対策として2013年度から継続的に取り組んできた「2020年度までにCO2排出量を、2005年度比で23%削減する」という目標の最終年度でした。毎年、省エネ・CO2削減を目的とする設備投資を各事業所から募集し、CO2削減の費用対効果(円/t-CO2)や投資回収期間などを考慮の上、照明のLED化やエネルギー効率のより良い設備の導入を計画的に進めてきたこと、生産拠点の再編によりエネルギー使用の効率化を図ったこと、ハイブリッドカーの営業車両への導入を進めたこと、一人ひとりが省エネ行動に地道に取り組んだこと※1などにより、2005年度比約34%削減と目標を大幅に上回る結果が得られました。

当社は2019年度にSBTi(Science Based Targets initiative)が設定するWB2℃(Well-below 2℃:2℃を十分下回る)水準の削減率に合わせ、「2030年度までに温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)を、2017年度比で35%削減する」という目標を設定しており、引き続き積極的にGHG排出量の削減に取り組んでいます。すでに2021年11月から、大分工場の使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替えています※2。また、ハイブリッドカーの営業車両への導入を寒冷地にまで順次拡大する予定です。

さらに、今後はバリューチェーン全体のGHG削減のための取り組みも進めていく予定です。サプライチェーンを通じたGHG排出量の詳細は、「サプライチェーン排出量の把握」をご覧ください。

※1 政府が推進する、省エネ・低炭素型の製品への買換え・サービスの利用・ライフスタイルの選択など、地球温暖化対策に資する「賢い選択」をしていこうという地球温暖化対策の取り組み「COOL CHOICE(=賢い選択)」(環境省HP:https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/about/)に賛同し、ロゴマークを活用しています。また、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や目標13「気候変動に具体的な対策を」のアイコンも活用して、従業員のさらなる意識向上に取り組んでいます。また、2018年度冬季からは、クールビズ・ウォームビズに代わり、通年「ノー上着・ノーネクタイ」とし、一人ひとりが衣服の調整などの工夫をして年間を通じた適切な空調使用による省エネを図っています。

COOL CHOICE エネルギーをみんなにそしてクリーンに 気候変動に具体的な対策を

※2 住友化学株式会社プレスリリース:https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20211021.html

当社は、省エネルギーおよび気候変動に関する法律である、エネルギーの使用の合理化に関する法律、地球温暖化対策の推進に関する法律、気候変動適応法を支持し、エネルギー使用量などに関する行政への定期報告を適切に実施しています。

CO2排出量(エネルギー起源)の推移

CO2排出量

集計対象:大日本住友製薬株式会社単体の全国内事業場(工場、研究所、物流センター、大阪本社、東京本社、支店・営業所)

精度向上のため、2019年度の"スコープ1"および"スコープ1及びスコープ2の合計"の数値を変更しました。

(注1)CO2排出係数には、社内で規定した固定値を用いています。これは、原子力発電所の稼働状況などの外部要因による影響を排除し、当社の取組の成果を明確にするためです。そのため、地球温暖化対策推進法による届出の数値などとは異なります。算定基準の詳細は、「環境目標およびパフォーマンス」をご参照ください。

(注2)を付した環境パフォーマンス指標は第三者保証を受けています。独立した第三者保証報告書は、「第三者保証」のページに掲載しています。

エネルギー使用量(原油換算)の推移

エネルギー使用量(原油換算)の推移

2018年度及び2019年度は、住友化学グループが発電した電力の供給を受けている拠点について、住友化学(株)から電力の単位発熱量が提供される場合、その値を採用していましたが、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づく算定方法に統一するため、2020年度以降は2017年度以前の算定方法と同様に、全ての拠点について「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づく単位発熱量を採用しています。2019年度及び2020年度の比較可能性を高めるために、2019年度の数値を新たな算定方法に基づき変更しました。

(注)を付した環境パフォーマンス指標は第三者保証を受けています。独立した第三者保証報告書は、「第三者保証」のページに掲載しています。算定基準の詳細は、「環境目標およびパフォーマンス」をご参照ください。

太陽光発電システム

当社は、総合研究所と大阪研究所に太陽光発電システムを導入しており、総合研究所における2020年度の発電量は89 MWhとなりました。大阪研究所については、計器故障のため、2020年度の発電量を集計できませんでしたが、例年通りの発電を行いました。

  • 総合研究所の研究棟屋上に設置中の太陽光発電システム
  • 発電量を研究所内のモニターに随時案内し、従業員の環境意識向上に役立てています

(左:写真)総合研究所の研究棟屋上に設置中の太陽光発電システム
(右:写真)発電量を研究所内のモニターに随時案内し、従業員の環境意識向上に役立てています。

カーボンニュートラルな都市ガス

鈴鹿工場でコジェネレーションシステム等に使用する都市ガスの大部分を、2021年8月より東邦ガス株式会社が供給する「カーボンニュートラルな都市ガス※3」(導入量:5,000千m3/年、期間:2年8カ月)に切り替えました。「カーボンニュートラルな都市ガス」の購入により、世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減に、間接的に貢献しています。

※3 東邦ガス株式会社プレスリリース:https://www.tohogas.co.jp/corporate-n/press/1223173_1342.html

サプライチェーン排出量の把握

当社は、サプライチェーン全体での排出量の把握に努めています。スコープ別のCO2排出量およびスコープ3におけるカテゴリ別のCO2排出量は下表のとおりです。スコープ3排出量は2018年度から2020年度まで段階的に増加していますが、2019年度に医薬仕入品の追加があり2020年度にその仕入品の購入が増えたことでカテゴリ1(購入した製品・サービス)の排出量が段階的に増加したためです。また、2020年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として出張の機会が減った結果、カテゴリ6(出張)によるCO2排出量は約10分の1に減少しています。

スコープ別CO2排出量

スコープ 内容 2018年度
排出量
(t-CO2
2019年度
排出量
(t-CO2
2020年度
排出量
(t-CO2
対象
スコープ1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセスの排出) 19,844 19,221 19,514 当社単体
スコープ2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 38,906 35,270 34,567 当社単体
スコープ3 スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出) 293,612 380,001 393,973 下表に記載

カテゴリ別CO2排出量(スコープ3)

カテゴリ 2018年度
排出量
(t-CO2
2019年度
排出量
(t-CO2
2020年度
排出量
(t-CO2
算定方法・
排出原単位など
対象
1 購入した製品・サービス 236,002 328,479 344,160 原材料、仕入商品の購入金額に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体の生産事業所
2 資本財 31,345 16,946 19,669 固定資産の取得金額に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 海外を含む当社グループ(連結)
3 スコープ1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 9,822 16,872 16,642 購入した電気・蒸気については環境省DBを、購入した燃料については、カーボンフットプリントDBもしくはLCI-DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
4 輸送、配送(上流) 707 825 860 輸送シナリオのトンキロに環境省DB、カーボンフットプリントDBもしくはLCI-DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体の国内輸送
5 事業から出る廃棄物 2,252 2,094 1,943 廃棄物の種類別・処理方法別の排出量に環境省DBの排出原単位を乗じて算出   当社単体の工場・研究所・物流センター
6 出張 2,646 5,356 554 出張交通費支給額に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
7 雇用者の通勤 830 848 732 交通手段別の通勤交通費支給額に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
8 リース資産(上流) 非該当 非該当 非該当
9 輸送、配送(下流) 3,771 3,729 4,204 卸業界の売上高あたりのCO2排出量(推定値)に当社製品の医薬品卸における売上高を乗じて算出 当社単体
10 販売した製品の加工 非該当 非該当 非該当
11 販売した製品の使用 5,731 4,371 4,770 販売した医薬品のMDI(定量噴霧式吸入器)に充填されているHFC量にGWPを乗じて算出 当社単体
12 販売した製品の廃棄 359 371 335 容器包装リサイクル法における材料別の容器包装重量に環境省DBの排出原単位を乗じて算出 当社単体
13 リース資産(下流) 147 110 104 賃貸している保有資産(建物)のエネルギー使用量から「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」に基づく各種係数を使用して算出 当社単体
14 フランチャイズ 非該当 非該当 非該当
15 投資 非該当 非該当 非該当

環境省DB(2018年度排出量にVer.2.6適用、2019年度排出量にVer.3.0適用、2020年度排出量にVer.3.1適用):環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」
カーボンフットプリントDB(2018年度排出量に適用):カーボンフットプリントコミュニケーションプログラム 基本データベース Ver.1.01
LCI-DB(2019年度および2020年度排出量に適用):LCIデータベースIDEAv2(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)

(注)を付した環境パフォーマンス指標は第三者保証を受けています。独立した第三者保証報告書は、「第三者保証」のページに掲載しています。
カテゴリ9(輸送、配送(下流))について、医薬品卸のガソリン使用に限らない倉庫保管も含めた数値への精度向上のため、2018年度および2019年度の数値を変更し、これに伴うスコープ3排出総量の数値も変更しました。また、主要な医薬品卸のCO2排出量は10月に開示されるため、統合報告書2021で開示したスコープ3排出総量にカテゴリ9の排出量は含まれておらず、統合報告書2021のスコープ3排出総量とは異なっています。

気候変動によるリスクと機会

当社は、2021年11月、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言への賛同を表明しました。TCFDは、G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立されたタスクフォースです。TCFDは2017年6月に最終報告書を公表し、企業等に対し、気候変動に関連するリスクと機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示することを提言しました。今後、当社はこの枠組みに沿って、気候シナリオを含むシナリオ分析を考慮したリスクと機会の分析・評価を進め、具体的な対策や情報開示を進めていきます。
以下は、一般的に当社の事業活動に影響を与える可能性がある気候変動によるリスクと機会です(2021年11月時点では、シナリオ分析は未実施)。

気候変動によるリスクと機会

リスクの要因 詳細 影響
規制によるリスク 温室効果ガス排出量に対する規制の強化 CO2削減のためのコストが増大する(再生可能エネルギーの購入や高効率エネルギー設備の導入など) 運用コストの増加
炭素税の新設 エネルギーコストが増加する。
サプライヤーが対象となった場合、原材料コストが増加する。
物理的影響によるリスク 自然災害(豪雨、洪水など)の増加・激甚化、水リスクの増加 当社事業に関わる施設(自社およびサプライチェーン)の被災や水需給の変化により、製品の供給停止や遅延が発生する。また、研究開発に遅れが生じる。 運用コストの増加
収益の低下
ビジネス機会の損失
最高気温、最低気温の変化 当社の拠点において、空調をはじめとする温度管理設備のエネルギーコストが増加する。 運用コストの増加
評判によるリスク 外部ステークホルダーの評価 当社の気候変動対策に対して外部評価が低い場合、企業価値が低下する。 株価の低下
機会の要因 詳細 影響
規制による機会 温室効果ガス排出量に対する規制の強化 当社に課された基準値を順守するために、さらなる省エネルギー化が実現できた場合、エネルギーコストの削減に繋がる。 運用コストの減少
物理的影響による機会 温暖化に起因する感染症リスクの増加 抗感染症薬の提供や新薬の開発を通じて、感染症の予防および治療に貢献する。 ビジネス機会や収益の拡大
評判による機会 外部ステークホルダ-の評価 気候変動リスク低減を実現した場合、当社の持続可能性が高まり、企業価値が向上する。 株価の上昇

パートナーシップ活動

日本製薬団体連合会への参画

当社は日本製薬団体連合会(日薬連)の加盟団体である日本製薬工業協会の会員として、日薬連の活動に参画しています。日薬連は日本経済団体連合会(経団連)の会員であり、経団連は日本政府の「2050年カーボンニュートラル宣言」を支持し、その実現に向けて政府とともに取り組む決意を表明して、「カーボンニュートラル行動計画」を策定しました。日薬連はこの行動計画に基づいて「低炭素社会実行計画※4」を策定し、CO2排出量の削減を推進しています。当社もこの実行計画に参画しています。

※4 低炭素社会実行計画のCO2削減目標
フェーズI:2020年度の二酸化炭素排出量を、2005年度排出量を基準に23%削減する。
フェーズII:2013年度を基準に、2030年度の二酸化炭素排出量を25%削減する。

また、日薬連は日本政府の方針に基づき、GHGであるフロン類の排出抑制にも取り組んでおり、専門部会として「フロン検討部会」を設置しています。本部会は、数値目標を含む自主行動計画を策定して、定量噴霧エアゾール剤に用いる代替フロン(HFC)の排出抑制に向けて活動するとともに、経済産業省の産業構造審議会への定期報告等を行い、政策実行を支援しています。当社はHFC-134aを噴霧剤として用いる吸入ステロイド喘息治療剤「キュバー
®」を輸入および販売しているため、本部会に参画し、代替フロンの削減に取り組むとともに規制当局との連携を図っています。

気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)への参加

気候変動イニシアティブ(JCI)は、日本において気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、NGOなどが情報発信や意見交換を強化して脱炭素社会の実現を目指すネットワークです。当社は、JCIの"脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する"との宣言に賛同し、2018年10月から参加しています。JCIはメッセージの公表と政府への書簡送付によって気候変動対策の強化等を求めています。当社は、2019年5月16日に発出された「日本の脱炭素リーダーシップを世界に示す長期戦略を」および2021年4月19日に発出された「パリ協定を実現する野心的な2030年目標を日本政府に求めるJCIメッセージ」に賛同しています。

「日本の脱炭素リーダーシップを世界に示す長期戦略を」および賛同団体一覧については、こちらをご覧ください。

「パリ協定を実現する野心的な2030年目標を日本政府に求めるJCIメッセージ」および賛同団体一覧については、こちらをご覧ください。