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くすりの仕事図鑑 製薬会社で働く人々 VOL.3 MRの仕事

MRの仕事とは?

MR(エムアール)とは Medical Representative(メディカル・リプレゼンタティブ)の略で、日本語にすると「医薬情報担当者」。自社の医療用医薬品にかかわる情報を、病院や診療所の医師や薬剤師などの医療関係者に幅広くお知らせしたり、医療関係者から集めたりする職種を指します。

医薬品を扱う仕事をしている人たちの間では「営業」と呼ばれることもありますが、病院や診療所に直接薬を販売するわけではありません。情報提供というかたちで薬が適正に使われることに貢献します。

薬を売る・薬の情報を伝える
どんな仕事をするの?

MRは、勤務日はほぼ毎日、複数の病院や診療所を訪問し、医師や薬剤師に会って情報提供活動を行います。

正しく伝える能力、すばやい対応力が必要

自社の薬が、どのような患者さんに適した薬なのか医師や薬剤師らにしっかりと理解してもらわなくてはなりませんから、担当する薬のことは、有効性や安全性など添付文書に書いてある内容はもちろん、その根拠となる医学・薬学的な知識も身につけておく必要があります。

新たにわかった副作用の情報なども速やかに伝え、薬に関する問い合わせや相談を受けたら、すぐに調べて対応します。医師や薬剤師から、薬を使ったあとの患者さんの病状の変化や、副作用がなかったかなども聞きとります。

MRは医師や薬剤師への情報提供を通じて患者さんの治療に貢献する

病院や診療所への訪問は「いつ、何時に、どこで、と約束してから訪問するように」と決められている病院や診療所もありますが、忙しく業務をこなす医師や薬剤師の空き時間を待ち、病院の廊下などで話をすることも多々あります。限られた時間の中で大切な情報を伝える能力も必要とされます。

MRは全国で活躍、文系も多い

大日本住友製薬の場合、全国に約1100人(2017年9月30日現在)のMRがいます。各MRにはそれぞれの担当地域があり、大病院や大学病院の担当、小規模な病院や診療所の担当などに分かれて活動しています。

これまでに紹介してきた研究の仕事は主に大阪にある研究所、開発の仕事は主に東京の事業所が勤務地となりますが、全国の病院や診療所を訪問するMRは転勤が多くなります。また、研究や開発の仕事に就く人は理系の大学院を出た人が大半ですが、MRには文系出身者も多いというのも特徴です。

専攻分野別のMRの割合

製薬会社190社などMR認定センターに登録している会社を対象とするアンケート調査の結果から。
出典:2016年版MR白書 MR認定センター:2016年8月

MRができることは何か?常に考えていく

インターネットの利用が当たり前の時代となり、製薬会社のウェブサイトでは、医師や薬剤師などの専門家向けに薬に関するさまざまな情報を発信するのが一般的になりました。かつてはMRからしか得られなかった情報も、医師や薬剤師が自分で入手できる場合が多くなってきたということです。

MRだからこそ伝えられる情報があるのね!

こうした状況の中MRは、個々の医師や薬剤師が必要としている情報は何なのかを常に考え、適切に伝える力がますます求められるようになってきました。「あなたの情報で助かった、役に立った」と感じてもらえるような情報提供を積み重ねることで、その薬を必要とする患者さんに薬を適正に使っていただく手助けとなる、それがMRの使命と言えるでしょう。

プロフェッショナルインタビュー VOL.3 MRの仕事編 患者さん目線を忘れない情報提供を心掛けています

—どうしてMRになろうと思ったのですか。

大学3年生で就職活動を始めたとき、会社説明会で初めて話を聞いた会社が大日本住友製薬でした。正直なところ、どのような会社なのか詳しくは知らなかったのですが、お会いした10人くらいのMRの方々、皆さんとても生き生きとしていて素敵で。この人たちと一緒に働きたい!と強く思ったのがきっかけです。その後、MRってどんな仕事だろう、ほかの会社のMRの仕事は?と調べていきましたが、これもご縁でしょうか……最初に話を聞けた大日本住友製薬に入ることができました。

—K・Aさんは法学部出身とのこと。文系出身者は入社後の勉強が大変ですか。

入社後半年間の研修で、体の仕組みや薬はどのように作用するのかといったことを勉強しましたが、やはり大変でした。薬の名前もなかなか覚えられなくて……。初めて教わることが多く、ついていくのに必死という感じでしたが、同期入社の同僚たちと励まし合ってがんばりました。人の命にかかわる薬の情報を扱う仕事ですから、中途半端な知識で取り組むわけにはいきません。

—どこで、どのような薬を担当しましたか。医師らとは、どのように接するのですか。

入社して13年目ですが、仙台、横浜、群馬での勤務を経て、今は東京の多摩地区にある5病院を担当しています。高血圧や糖尿病の薬など、主に6、7種類の薬について情報提供活動を行っています。

今は、頻繁にお会いする医師だけでも100人以上いて、毎日3病院くらい訪問します。皆さんにお伝えしておきたい情報もありますが、医師それぞれで必要とされる情報も違ってきます。また、毎日のようにお会いして話を聞いてもらったほうがいい方もいれば、月1回程度の面会の機会にしっかりとまとめてお伝えしたほうがいい方もいます。皆さんに同じように接し、同じ説明をしているようではうまくいかないので。

—どのような人がMRに向いていますか。

実際に接しているのは医師や薬剤師らですが、その先にいる患者さんのことを忘れずに頑張れる人ですね。自社の薬が「売れればいい」ではなく、この薬で救える患者さんのもとに薬を届けるために自分ができることは何か、常に考えていかなくてはなりません。

お話したくて何時間も待っていたのに、「今日は時間がない」と面談を断われてしまうこともあります。“折れない心”も必要です。医師らが病院内を移動される数十秒から数分にご一緒して話を聞いてもらうという場合も多いので、要領よく話せるコミュニケーション力も大切です。

1日の仕事スケジュール

監修:亀井美和子 (日本大学薬学部教授)