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クスリはリスク Vol.2 知っておきたい「よくある副作用」

知っておきたい「よくある副作用」

どのような副作用が出るかは薬によってさまざまです。また、1つの薬で複数の副作用が起こることもあります。生死にかかわるような重大な副作用が出ることはめったにありませんが、薬には副作用がつきもの。

今回は、薬局で買える風邪薬や解熱鎮痛薬、胃腸薬、抗アレルギー薬(鼻炎用薬)など、多くの人が使ったことがある市販薬の、よくある副作用を見てみましょう(下図)。胃や腸などの消化器、皮膚、脳の働きに関連する症状が多いようです。

「よくある副作用」・からだがかゆくなる ・発疹が出る・口がかわく ・お腹が痛くなる ・吐き気がする・下痢 ・便秘 ・眠気 ・集中力の低下・動悸がする ・めまいがする

これらの「よくある副作用」以外にも、いろんな副作用があります。使う人の体質や体調によっても、その出方が変わるというのは、前回、くすりのいろは クスリはリスク Vol.1 作用があれば副作用もあるにも出てきましたね。

副作用ではない場合もある

薬をのみ始めたら、お腹が痛くなってきた……。それは薬の副作用かもしれませんが、たまたま別の理由で胃の調子が悪くなったのかもしれません。また、「この薬をのむとお腹が痛くなるかもしれない」という不安な気持ちから、本当にお腹が痛くなることも。

Check!

「現れた症状が副作用かどうかを判断するポイント]

まはなちゃん:薬をのむ前に スコッピィ君:添付文書を必ず見てね!

添付文書を見てみよう

いろんな副作用があるし、副作用じゃないかもしれないし、薬をちゃんと使うのって難しそう……。と思ったかもしれませんが大丈夫。薬の取り扱い説明書である「添付文書」が、強い味方になってくれます。

薬には必ず添付文書があります。市販薬では、薬のパッケージの中に必ず入っています。どのような副作用が、どのくらいの頻度で起きるのか、どのような症状があれば医師や薬剤師に相談すべきかなどが書いてあります。たくさんのことが書かれていますが、抑えておきたいポイントをまとめます。

まはなちゃん:薬をのむ前に スコッピィ君:添付文書を必ず見てね!

添付文書の例

我慢しようと思えば我慢できるくらいの軽い副作用もありますが、いつもとは違う疑わしい症状があれば、すぐに薬を買った薬局の薬剤師や、かかりつけの医師に相談しましょう。薬の副作用も、病気と同じで早期発見が大切です。もしかしたら、命にかかわるような重い副作用の前兆かもしれないからです。

副作用も早期発見が大切です。

解説

薬物アレルギー

通常はからだの中に存在しない薬の成分は、からだにとって"異物"。からだには入ってきた異物を排除して健康を維持しようとする「免疫機能」があるけれど、免疫機能が過度に働いてしまうと、かえって悪い影響を及ぼすこともあるんだ。これがアレルギー。

アレルギーの原因には、花粉やダニ、ペットの毛、食べ物などがあるけれど、薬もアレルギーの原因になることがあって、これを「薬物アレルギー」って呼ぶよ。よくある症状は、発疹、皮膚や目のかゆみなど。薬を使ってからすぐに症状が出る場合もあれば、何日かたってから症状が出る場合もあるから注意してね。

添付文書には、「してはいけないこと」や「相談すること」の欄に薬物アレルギーのことが書いてあるから確認してみて。

一度薬物アレルギーを起こすと、その薬はもちろん、同じような薬をのんだときにもアレルギーを起こしてしまうことがあるんだ。症状は軽くても、アレルギーを起こしたことのある薬の名前はちゃんと憶えておいて、次に薬を使うときは、医師や薬剤師に薬物アレルギーのことを伝えてね。

薬物アレルギー

コラム

抗がん剤と脱毛

薬は効いたみたいだけれど、強い副作用が出てしまい、かえってつらくなった……。できればそんなこと、避けたいですよね。

比較的症状が軽い病気の治療には、狙い通りの作用によって得られる利益(ベネフィット)が、副作用という危険(リスク)よりも断然大きい薬しか使われません。しかし薬を使わなければ命にかかわるような病気の場合、好ましくないリスクも伴うことを承知のうえ、薬が使われることがあります。

その代表例として挙げられるのが、がんの治療に用いる「抗がん剤」です。抗がん剤のよくある副作用の一つに、脱毛があります。抗がん剤が、がん細胞をやっつけるのと同時に、髪の毛の根元の細胞も破壊してしまい、髪の毛がごっそりと抜け落ちてしまうのです。

抗がん剤にもいろいろな種類がありますが、「脱毛の副作用が出やすい」とされるものを使った場合、ほとんどの人が脱毛を経験します。医師も患者もそれを覚悟のうえで抗がん剤を使うことになります。もっとも、抗がん剤による治療を終えたあと、しばらくすると再び髪の毛が生えてくるのが一般的です。

抗がん剤と脱毛

監修:加藤哲太(東京薬科大学薬学部教授)