ニュースリリース

2002年12月6日

世界初の全合成アントラサイクリン系抗がん剤
抗悪性腫瘍性抗生物質「カルセド®注射用」新発売

当社は、医療用医薬品「カルセド®注射用」を本日、新発売いたしました。
「カルセド®注射用」は、当社が創製した世界初の全合成によるアントラサイクリン系抗悪性腫瘍性抗生物質です。塩酸アムルビシン(一般名)を主成分とする注射用凍結乾燥製剤で、「非小細胞肺癌、小細胞肺癌」の効能・効果を有します。

アントラサイクリン系抗がん剤は、強力な抗がん抗生物質で、現在も悪性リンパ腫、白血病、乳癌などの治療に広く用いられています。同系としては現在数種の薬剤が市販されていますが、すべて発酵品あるいは発酵品からの半合成により製造されています。
当社は、従来の発酵法では作れない化学構造をもつ新規アントラサイクリン系化合物を全合成により創製することを目指し、塩酸アムルビシンを見出しました。
塩酸アムルビシンは、非臨床試験において従来のアントラサイクリン系薬剤を上回る抗腫瘍効果を示しました。臨床試験では、従来の抗がん剤と同様に骨髄機能抑制等の副作用が認められたものの、非小細胞肺癌に対して23.1%、小細胞肺癌に対しては75.8%の奏効率(*1)を示し、有用性が確認されました。これらの結果から、本年4月に製造承認を取得し、同12月6日に薬価収載され発売する運びとなったものです。

肺癌は、大きく小細胞肺癌と非小細胞肺癌に分けられます。初発患者数は年間約75,500人と推定されており、死亡者数は年間5万人以上とがんの中で最も多く、ともに今後も増え続けると予想されています。治療法としては、外科手術、放射線照射、抗がん剤による化学療法が行われますが、病期が進行している場合は化学療法が中心となります。しかし、現在の5年生存率は約20%と予後不良であり、新規抗がん剤の開発等、より良い治療方法が望まれています。

「カルセド®注射用」は、薬価基準収載において類似薬と比較して高い有効性を有すると認められたことから、有用性加算(Ⅱ)が適用されており、今後の肺癌治療の新たな選択肢になり得るものと期待されています。当社では、適正使用されるよう情報提供するとともに、エビデンス(*2)を構築していくことにより、肺癌の標準治療薬の一つに育成していく計画です。

*1 奏効率 : がんが50%以上縮小あるいは消失した症例の割合
*2 エビデンス:科学的に評価された臨床試験成績

以上