
私達の使命は、医療の現場や患者さんから真に求められている医薬品を研究開発することにより、人々の健康や福祉に貢献することです。このため、研究開発部門では待望される医薬品を1日も早く社会に提供できるよう日々努力しています。
医薬品の研究開発に関連する科学技術の進歩にはめざましいものがあります。とくに生命科学分野では、ヒトゲノムの解明に代表されるような先端技術によって、これまで不明であった病気の原因や医薬品の作用メカニズムの解明が進みつつあり、研究開発の進め方にも大きな変革がもたらされています。
また、ヒトの細胞や組織(以下、ヒト組織)を用いることで、動物実験では知ることができなかったヒト特有の現象を捉えることも可能になっています。従来は、薬の有効性や副作用を、動物を用いて予測した後に臨床試験で評価をするという方法がとられてきました。最近では、動物に加えてヒト組織を使う実験を行うことによって、より有効で副作用が少なく、作用メカニズムが明確な医薬品開発の可能性が高まると考えられています。
このように、医薬品の研究開発にはゲノム研究を含めヒト組織を用いた研究が不可欠となってきていますが、一方、このような研究には倫理面に関する特別な配慮が必要です。このため「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」が平成13年4月1日付けで施行(平成16年12月28日改正)されました。この指針では、ヒト組織がゲノム解析研究に提供されるための前提として、提供者への事前の十分な説明と自由意志による同意、個人情報の厳重な保護、研究計画の公正な審査、研究成果の社会への公開などが求められています。
私達もこの指針の趣旨を受けて、遺伝子解析やヒト組織を用いた研究の計画を事前に審査するヒト組織研究倫理審査委員会を設置するとともに、倫理審査のあり方についての基準を明文化し、委員構成とヒト組織を利用したゲノム解析研究の審査に関する情報を公開することに致します。