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2015年05月20日印刷はこちらから研究開発

非定型抗精神病薬「LATUDA(ルラシドン塩酸塩)」の大うつ(混合症状)を対象とした良好な試験結果について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)は、米国において成人の統合失調症および双極Ⅰ型障害うつの適応で承認されている非定型抗精神病薬「LATUDA®」(一般名:ルラシドン塩酸塩、以下「ラツーダ」)の成人の大うつ(混合症状)を対象としたプラセボ対照試験(以下「本試験」)の結果を発表しましたので、お知らせします。
本試験は、大うつ(混合症状)を対象とした初めてのプラセボ対照試験であり、ラツーダはプラセボと比較し、主要評価項目および副次評価項目の両方で有意な差を持って、成人の大うつ(混合症状)のうつ症状を改善しました。
本試験結果は、5月19日(米国時間)に、第168回米国精神医学会(the American Psychiatric Association)において発表されました。

本試験は、成人の大うつ(混合症状)患者を対象とした、6週間のランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験です。患者はラツーダ20~60mg/日投与群(109例)またはプラセボ投与群(102例)に割り付けられ、6週間投与されました。主要評価項目は、投与6週間後のモンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度※1(MADRS:Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)のベースラインからの変化量であり、重要な副次評価項目は、投与6週間後の臨床全般印象評価尺度-重症度※2(CGI-S:Clinical Global Impressions-Severity of Illness scale)のベースラインからの変化量でした。

本試験の結果、ラツーダ投与群は、プラセボ投与群と比較して、投与6週間後のMADRS合計スコアにおいて、統計学的に有意な改善(ラツーダ投与群(L):-20.5、プラセボ投与群(P):-13.0; p<0.0001; Cohen's d effect size=0.80)を示し、その改善は投与1週目から観察されました。また、ラツーダ投与群は、プラセボ投与群と比較して、投与6週間後のCGI-Sスコアのベースラインからの変化量において、統計学的に有意な改善(L:-1.83、P:-1.18; p<0.0001; Cohen's d effect size=0.60)を示し、その改善は投与2週目から観察されたことに加え、ヤング躁病評価尺度※3(YMRS:Young Mania Rating Scale) の評価に基づく躁症状を含む他のすべての副次評価項目においても有意な改善を示しました。

ラツーダ投与群においては、体重や代謝パラメーターの変化率は低く、総じて良好な忍容性が示されました。また、全体の中止脱落率については、プラセボ投与群よりも低い結果(L:6.4%、P:14.7%)でした。主な有害事象(5%以上の発現率かつプラセボ投与群よりも多く認められたもの)は、吐き気(L:6.4%、P:2.0%)、眠気(L:5.5%、P:1.0%)でした。

Massachusetts General Hospital in Boston, Massachusetts(米国マサチューセッツ州ボストンのマサチューセッツ総合病院)のFounding Director of the Bipolar Clinic and Research Program(バイポーラー・クリニック・リサーチプログラムの創設ディレクター)であるGary Sachs(ゲイリー・ザックス)医師は、次のように述べています。「大うつの患者さんにおける躁症状の発現は、不安の増長、自殺企図、薬物乱用および機能障害のリスク増加に関係しています。今回の試験は、大うつ(混合症状)の患者さんにおいて効果的な治療結果が示された初めてのプラセボ対照試験です。」

サノビオン社のExecutive Vice President and Chief Medical Officer, Head of Global Clinical Development for Sumitomo Dainippon Pharma GroupであるAntony Loebel(アントニー・ローベル)は、次のように述べています。「本試験結果は、ラツーダがしばしば重度のうつ病の一類型とみなされる成人の大うつ(混合症状)患者さんのうつ症状を有意に改善することを示しています。私たちは、本試験結果は標準的な抗うつ薬による治療で効果不十分な大うつ(混合症状)の患者さんにとって、重要な結果であると確信しています。」

  • ※1 モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS):うつ病の重症度を10項目で評価する尺度。
  • ※2 臨床全般印象評価尺度-重症度(CGI-S):疾患の重症度を1(正常)から7(非常に重度の精神疾患)の7段階で評価する尺度。
  • ※3 ヤング躁病評価尺度(YMRS):躁病の重症度を11項目で評価する尺度。

以上

(ご参考)

【大うつ(混合症状)について】

大うつの患者さんの少なくとも25%に、軽躁病(混合症状)の基準となる閾値に満たない躁症状が認められると言われています。大うつ(混合症状)の患者さんではよく、重度のうつ症状およびうつエピソードの頻繁な再発、標準的な抗うつ薬による治療で効果不十分な場合、自殺企図、不安障害、薬物乱用および全般的な機能障害の亢進のリスク増加が見られます。大うつ(混合症状)患者さんでは、将来、双極性障害に罹患するリスクが増加します。躁症状が認められる大うつに関する理解が進んだことにより、「精神疾患の診断・統計の手引き第5版」(DSM-5)では、大うつエピソードの間に限られた躁症状を発現する患者さんについて、新たに「混合症状」として記載されています。また、これまで、大うつ(混合症状)患者さんを対象とした向精神薬の対照試験はありませんでした。

【ラツーダについて】

ラツーダは、当社が創製した独自な化学構造を有する非定型抗精神病薬であり、ドーパミン-2、セロトニン-2A、セロトニン-7 受容体に親和性を示し、アンタゴニストとして作用します。セロトニン-1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用します。また、ヒスタミンとムスカリン受容体に対してはほとんど親和性を示しません。 ラツーダは、2010年10月に米国において、また、2012年6月にカナダにおいて、成人の統合失調症に対する適応症の承認を取得し、当社の米国子会社であるサノビオン社が、2011年2月より米国で、2012年9月よりカナダにおいて、「LATUDA®」として販売しています。双極Ⅰ型障害うつに対しては、2013年6月に米国において、成人の双極Ⅰ型障害うつに対する単剤療法ならびにリチウムまたはバルプロ酸との併用療法の2つの適応承認を取得し、カナダにおいて2014年3月に同適応の承認を取得しました。