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2014年01月27日印刷はこちらから研究開発

新規結核ワクチンの共同開発契約締結のお知らせ

独立行政法人医薬基盤研究所(本所:大阪府茨木市、理事長:米田 悦啓、以下、「基盤研」)、NPO法人Aeras(本部:米国メリーランド州、代表:トーマス・G・エバンス)および株式会社クリエイトワクチン(本社:大阪府大阪市、社長:上月 孝一、以下、「クリエイトワクチン」)の三者は、2013年12月26 日、ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスベクター技術を用いた新規結核ワクチン(以下、「本ワクチン」)について共同開発契約を締結しましたので、お知らせします。

既存の結核ワクチンにおいては、乳幼児に対しては極めて高い効果が認められていますが、成人の肺結核に対する効果は乏しく、新規結核ワクチンの開発が望まれています。この全く新しいワクチンは、基盤研の霊長類医科学研究センターにより開発されたヒトパラインフルエンザ2型ウイルスベクター技術を臨床応用した、肺結核を予防する粘膜免疫誘導型ワクチンであり、開発に成功すれば本技術を用いた世界初の結核ワクチンとなります。

Aerasのエバンス代表は次のように述べています。「本ワクチンは、結核菌の肺への侵入を防ぐために、粘膜を標的とした、重要な結核ワクチンです。グローバルな専門家から成る今回の共同開発は、日本をはじめとする全世界において結核を撲滅するための、有望なワクチンの開発に必要なアプローチです。」

基盤研の霊長類医科学研究センターの保富 康宏センター長は次のように述べています。「現在までに行ってきた実験結果から、このAerasとクリエイトワクチンとの開発に対する協働体制は大きな可能性を持っています。結核予防という究極の目標を達成すべく、さらなる開発研究を推進します。」

クリエイトワクチンの上月社長は次のように述べています。「結核ワクチンの開発は、当社にとって新たな挑戦となりますが、基盤研およびAerasとの魅力的な協働体制により、本ワクチンを必要とする人々に一日でも早く提供できるよう、開発を促進します。」

本共同開発は、一般社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)より助成を受けています。GHIT Fundは、先進国と開発途上国間における健康格差是正に向けて、日本が有する医療技術、イノベーション、知見をより直接的に活かすことができる、グローバルな医薬品開発研究の連携を促進しています。

基盤研、Aeras、クリエイトワクチンの三者は、非臨床試験を経て、臨床試験において、本ワクチンの安全性および免疫原性を確認することを目標に共同開発を進めます。また、本共同開発では、様々な抗原を含んだ新規ワクチン技術の評価、最も有望な新規ワクチンを特定する免疫学的試験の実施、製造基準であるcurrent good manufacturing practices (cGMP)に適合した製造プロセスの開発等を行います。

三者は、本ワクチンの開発を共同で進めることにより、結核の予防に大きく貢献できることを期待しています。

なお、本件に関する基本合意につきましては、2013年11月8日に開示しています。

以上

(ご参考)

【結核について】

結核は3大感染症の一つであり、世界では1年間に新たな患者が約860万人発生し、約130万人が死亡しています。患者さんはすべての年齢層にわたって認められますが、最も生産的な年齢層である15歳から44歳で最も多く認められています。多剤耐性結核と広範囲に薬物抵抗性結核が、現在、世界において調査が実施されたすべての国で確認されています。これらの結核の世界的な発生と蔓延により、結核防止のための取り組みは難航し、莫大な個人負担および各国の医療経済に重大な負担がかかっています。多剤耐性結核を治療するためのコストは、薬剤に感受性を示す結核の治療コストの200倍とも言われています。日本においては、毎年2万人以上が感染し、2千人以上が死亡しています。

【医薬基盤研究所について】

基盤研は、創薬の推進・支援に特化した日本で唯一の独立行政法人です。基盤研は「医薬品等の基盤的技術研究」、「難病・疾患資源研究」、「医薬品等の研究開発振興」という三つの事業を行い、民間企業、大学等における新たな医薬品・医療機器の開発を目指した研究を支援しています。

【Aeras について】

Aeras は、アフリカ、アジア、北米およびヨーロッパなど、世界中のパートナーと協力して結核ワクチンを開発する非営利団体です。Aeras は強固な早期ステージの候補化合物ポートフォリオを持ち、6つのワクチンの臨床試験を支援しています。
Aeras は、米国メリーランド州(ロックビル)、南アフリカ(ケープタウン)および中国(北京)に拠点を有しています。

【クリエイトワクチンについて】

クリエイトワクチンは、大日本住友製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:多田 正世、以下、「大日本住友製薬」)と日本ビーシージー製造株式会社(本社:東京都文京区、社長:萩原 昇、以下、「日本ビーシージー」)が、新規結核ワクチンの事業化を進めるために、2013年7月31日に設立した合弁会社です。

【大日本住友製薬について】

大日本住友製薬は、人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献することを企業理念としています。大日本住友製薬は、この理念を実現するため、また、日本はもちろん世界の方々に革新的で有用な医薬品をお届けするため、新薬の研究開発に全力を注いでいます。

【日本ビーシージーについて】

日本ビーシージーは、ワクチンの製造や研究を通じて得た、優れた知識、技術を活かし、高品質な製品を安定供給し、独創的な製品を開発することを通じて、世界の人々の健康に貢献します。