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2012年04月24日印刷はこちらから研究開発

非定型抗精神病薬「LATUDA(ルラシドン塩酸塩)」の双極Ⅰ型障害うつ対象の2本の第Ⅲ相試験(PREVAIL 1・2試験)の結果について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、米国子会社であるサノビオン社が米国において統合失調症治療剤として販売中の非定型抗精神病薬「LATUDA®(一般名:ルラシドン塩酸塩)」について、双極Ⅰ型障害うつを対象としたプラセボ対照の2本の第Ⅲ相試験(PREVAIL 1およびPREVAIL 2試験)の結果を得ましたので、お知らせします。 両試験においてLATUDA®は、主要評価項目および主な副次評価項目においてプラセボに対して有意差が認められました。

PREVAIL 1およびPREVAIL 2試験は、双極Ⅰ型障害うつを対象に、それぞれ併用療法および単剤療法におけるLATUDA®の有効性および安全性を評価するために実施されました。
両試験の結果、主要評価指標であるMontgomery-Asberg Depression Rating Scale (MADRS)において、LATUDA®投与群はプラセボ投与群と比較してうつ症状の有意な改善を示しました。また、両試験において、LATUDA®投与群は、体重、脂質および血糖コントロールにおいて、全般的に低い変化量を示しました。
なお、PREVAIL 1およびPREVAIL 2試験の結果の詳細は、今後米国で開催される学会において発表する予定です。

当社の代表取締役社長の多田は次のように述べています。「両試験の結果、LATUDA®の双極Ⅰ型障害うつに対する有用性を示すデータが得られました。両試験の主要評価項目を達成できたことから、2012年中にLATUDA®の双極Ⅰ型障害うつに対する効能追加の申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出する予定です。」

米国マサチューセッツ州ボストンのBipolar Clinic and Research Program at Massachusetts General Hospital(マサチューセッツ総合病院 バイポーラ・クリニック・リサーチプログラム)の創設ディレクターであるGary Sachs(ガリー・サックス)博士は次のように述べています。「双極Ⅰ型障害うつは多くの患者さんを非常に衰弱させる疾患です。今回の試験で得られたLATUDA®の有効性と安全性のデータは、LATUDA®が双極Ⅰ型障害うつの患者さんにとって有力な治療選択肢となる可能性を示しています。」

(注)LATUDA®は、米国において統合失調症の適応症でのみFDAの承認を受けています。双極Ⅰ型障害うつを含む双極性障害については未申請であり、承認されていません。双極Ⅰ型障害うつにおけるLATUDA®の有効性と安全性は確立されていません。

以上

(ご参考)

【PREVAIL試験のデザインについて】

PRogram to EValuate the Antidepressant Impact of Lurasidone (PREVAIL)試験は双極Ⅰ型障害うつに対するLATUDA®の有効性および安全性を評価する試験です。

PREVAIL 1試験は、一般的に使用される気分安定薬であるリチウムまたはバルプロ酸にLATUDA®を併用した際の有効性および安全性を評価することを目的に実施されました。 DSM-IV-TR(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision)基準に基づいて双極Ⅰ型障害うつと診断され、かつ、4週間以上リチウムまたはバルプロ酸による治療後も症状(MADRSスコア20以上)が継続する患者さんに対して、6週間、リチウムまたはバルプロ酸に加えて、LATUDA®20-120mg/日(N=183)またはプラセボ(N=165)を無作為二重盲検により投与しました。

PREVAIL 2試験は、双極Ⅰ型障害うつの患者さんに対して単剤療法としてのLATUDA®の有効性および安全性を評価することを目的に実施されました。 DSM-IV-TR基準に基づいて双極Ⅰ型障害うつと診断され、MADRSスコア20以上の症状を有する患者さんに対して、LATUDA®20-60mg/日(N=166)、LATUDA®80-120mg/日(N=169)またはプラセボ(N=170)を無作為二重盲検により投与しました。

両試験において事前に設定した主要評価項目は、6週間試験の終了時点におけるMADRS合計スコアのベースラインからの変化量でした。主な副次的評価項目は、6週試験終了時のClinical Global Impression Bipolar Version, Severity of Illness(CGI-BP-S)スコアのベースラインからの変化量でした。混合モデル反復測定法(MMRM)を用いて、MADRSおよびCGI-BP-Sのベースラインからの変化量を分析しました。他の有効性の副次的評価項目については、MMRMまたはANCOVA(LOCF)を用いて分析しました。

【PREVAIL 1およびPREVAIL 2試験の結果について】

両試験の主要評価では、MADRSスコアにおいて、LATUDA®投与群では、プラセボと比較して投与2週後から変化が見られ、6週後の終了時点において、統計学的に有意なスコアの低下が見られました。また、両試験においてLATUDA®投与群で以下のような変化が見られました。

  • CGI-BP-Sスコアにおいて1週目から改善が見られ、プラセボと比較して有意なスコアの低下が見られました。
  • MADRSにおいてベースラインから50%以上の低下が見られ、プラセボと比較して有意に高い反応を示しました。
  • Hamilton Anxiety Rating Scale(HAM-A)合計スコアの不安症状評価において、プラセボと比較して有意なスコアの低下が見られました。
  • Sheehan Disability Scale (SDS)による社会的、職業的機能評価、またQuality of Life, Enjoyment and Satisfaction Questionnaire(Q-LES-Q-SF)によるQOLの評価において、有意な改善が認められました。

PREVAIL 1試験おいて最も多く見られた有害事象(LATUDA®投与群で5%以上見られたもの)は、嘔気(LATUDA®投与群17.5%、プラセボ投与群11.0%)、頭痛(LATUDA®投与群10.4%、プラセボ投与群12.3%)、眠気(LATUDA®投与群8.7%、プラセボ投与群4.3%)、振戦(LATUDA®投与群8.2%、プラセボ投与群4.3%)、アカシジア(LATUDA®投与群7.7%、プラセボ投与群4.3%)、不眠(LATUDA®投与群7.1%、プラセボ投与群5.5%)でした。有害事象による中止率はLATUDA®投与群で6%、プラセボ投与群で8%でした。

PREVAIL 2試験において最も多く見られた有害事象(LATUDA®投与群のいずれかで5%以上見られたもの)は、嘔気(LATUDA®1日20-60mg投与群10.4%、LATUDA®1日80-120mg投与群17.4%、プラセボ投与群7.7%)、頭痛(20-60mg投与群14.0%、80-120mg投与群9.0%、プラセボ投与群11.9%)、アカシジア(20-60mg投与群7.9%、80-120mg投与群10.8%、プラセボ投与群2.4%)、不眠(20-60mg投与群4.9%、80-120mg投与群6.6%、プラセボ投与群8.3%)、眠気(20-60mg投与群4.3%、80-120mg投与群6.6%、プラセボ投与群4.2%)、鎮静(20-60mg投与群3.0%、80-120mg投与群7.2%、プラセボ投与群1.8%)でした。有害事象による中止率はLATUDA®投与群はいずれも6%、プラセボ投与群で6%でした。

サノビオン社のAntony Loebel(アントニー・ローベル)臨床開発・メディカルアフェアー担当上級副社長は次のように述べています。「これらの試験結果は、LATUDA®が双極Ⅰ型障害うつに対する併用または単剤療法の選択肢となることを示唆する、注目すべきものです。」

【LATUDA®(一般名:ルラシドン塩酸塩)について】

LATUDA®は、2010年10月28日(米国時間)に米国食品医薬品局(FDA)より統合失調症に対する承認を取得した非定型抗精神病薬です。LATUDA®の初回推奨用量は1日40mgで、食後投与です。タイトレーションは不要です。LATUDA®はこれまでの6週間投与の比較試験において1日40mg~120mgまでの用量で効果が認められています。1日最大推奨用量は80mgです。なお、1日160mgの投与量を現在FDAに申請中です。

【双極Ⅰ型障害について】

双極性障害は、米国において、約570万人(18歳以上の人口の約2.6%)の成人が罹患しています。双極性障害うつは、衰弱性の感情起伏のため、重篤な精神障害とされる双極性障害において、うつ症状を呈する疾患です。双極Ⅰ型障害は、躁症状の期間の後、一定期間、平常状態に戻るケースもありますが、最終的には全ての患者さんがうつ症状を呈します。双極Ⅰ型障害は、一つまたは複数の躁症状または混合症状を呈することが特徴です。双極性障害うつの症状として、極端な悲しみ、不安、疲労、無気力、無関心、意図しない体重変化、睡眠パターンの乱れ、絶望、薬物乱用、自殺傾向が報告されています。双極性障害は世界の身体障害の主要原因の6番目に挙げられています。The Depression and Bipolar Support Alliance (DBSA)(うつ病とバイポーラ・サポート・アライアンス)によると、双極性障害の全ての患者さんが、躁症状時に比べてうつ症状時の方が、より「通常より悪い」状態であると感じています。また、双極性障害うつは、身体的な障害や、自殺企図を伴うことがあります。