IRニュース

2011年05月11日印刷はこちらから研究開発

糖尿病合併症治療剤ラニレスタットの国内後期第Ⅱ相試験結果について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)とキョーリン製薬ホールディングス株式会社の子会社である杏林製薬株式会社(本社:東京都、社長:平井 敬二)は、両社が日本で共同開発中の糖尿病合併症治療剤「ラニレスタット」(一般名、開発コード:AS-3201)について、日本における後期第Ⅱ相試験(以下、本試験)の結果を得ましたので、お知らせします。

本試験は、糖尿病性末梢神経障害の患者さんを対象として実施した実薬3群(10mg/日群、20mg/日群、40mg/日群)とプラセボ群との二重盲検比較試験です。本試験における主要評価項目は、感覚・運動神経伝導速度の変化量の和(合計神経伝導速度)*1とし、副次評価項目は、臨床症状の評価指標である改定トロント神経障害スコア(mTCNS)*2としました。

本試験の結果、主要評価項目である合計神経伝導速度において、明確な用量反応関係は認められなかったものの、すべての実薬群で投与前に比し有意な増加が認められました。

副次評価項目であるmTCNS においては、想定以上のプラセボ効果の発現により、プラセボ群と実薬群の間で有意な差は認められませんでしたが、観察期に症状の変動が大きかった症例を除いた解析では、実薬群では有効性を示唆する成績が得られました。なお、安全性に関しては特に問題は認められませんでした。

なお、両社は今後も本剤の開発状況に応じて、必要な情報開示を行う予定です。

以上

(ご参考)

【本試験の概要】

用法用量: 1日1回、1回2錠を朝食後に経口投与
治験期間: 治験薬服用期間58週間
◆観察期(6 週間):プラセボ
◆治療期(52 週間):ラニレスタット 10mg、20mg、40mg またはプラセボ
事後観察期間 4 週間
目標例数: 70例/群
主要評価項目: 感覚・運動神経伝導速度の変化量の和(合計神経伝導速度)
副次評価項目: 改定トロント神経障害スコア(mTCNS)など
*1 感覚・運動神経伝導速度の変化量の和(合計神経伝導速度):感覚神経伝導速度(左右腓腹神経の平均、近位正中神経)、運動神経伝導速度(脛骨神経、正中神経)の合計です。
*2 改定トロント神経障害スコア(mTCNS):カナダ、トロント大学 神経内科Bril教授が考案した糖尿病性神経障害における臨床症状の評価指標です。陽性症状(自発痛やしびれなど)を評価する症状スコアと陰性症状(振動覚低下など他覚的検査異常)を評価する感覚検査スコアで構成されます。

【ラニレスタットの概要】

「ラニレスタット」(一般名、コード名:AS-3201)は、大日本住友製薬が創製し、糖尿病合併症治療剤として開発中の化合物です。本剤は、アルドース還元酵素を強力に阻害することにより細胞内のソルビトール蓄積を抑制し、糖尿病合併症の一つである糖尿病性神経障害を改善することが期待されます。

国内では、大日本住友製薬と杏林製薬が共同開発を実施し、本剤の早期上市に努めています。
また、海外においては、2005 年9 月に大日本住友製薬が、エーザイ株式会社と海外の開発・販売権に関するライセンス契約を締結し、現在エーザイが、米国、カナダ、欧州においてフェーズⅡ/Ⅲ試験を実施中です。

以上