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2009年06月04日印刷はこちらから研究開発

「ルラシドン」米国第Ⅱ相試験成績の医学雑誌掲載について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、グローバルで自社開発中の統合失調症治療剤「ルラシドン」の統合失調症患者における米国第Ⅱ相臨床試験の良好な成績が精神医学分野の著名雑誌「The Journal of Clinical Psychiatry」に掲載されましたことを、お知らせします。
本試験はプラセボ対照無作為二重盲検多施設比較試験で、急性期の統合失調症患者180人にルラシドン固定用量80mg/日またはプラセボを6週間投与したものです。ルラシドン80mg/日投与群は投与3日後を含む全ての評価時期で、主要評価項目および副次評価項目においてプラセボ投与群に対して有意な改善を示しました。さらに、ルラシドン投与群は全般的に高い忍容性を示し、体重および代謝機能に対する変化はプラセボ投与群と同程度でした。試験結果は www.psychiatrist.com に掲載されています。

当社米国子会社である大日本住友製薬アメリカ(Dainippon Sumitomo Pharma, America Inc.)の臨床開発担当副社長であり、第一執筆者であるAntony Loebel(アントニー・ローベル)は次のように述べています。「急性期の統合失調症患者を対象としたルラシドンとプラセボの比較試験成績を最初に投稿したものの掲載です。この第Ⅱ相試験成績は、最近終了した第Ⅲ相プラセボ対照比較試験(PEARL 1 試験)を含むルラシドンのグローバル開発プログラムでの成績と一致するものです。」

この試験での主要評価項目はBPRSd (Brief Psychiatric Rating Scale-derived) です。
ルラシドン投与群(L)はプラセボ投与群(P)に対し投与6週間後に、BPRSdで有意な改善(L:-8.9 vs P:-4.2;p=0.012)を示し、そのほかにPANSS 合計スコア(L:-14.1 vs P:-5.5; p=0.004)、PANSS 陽性症状項目(L:-4.3 vs P:-1.7; p=0.006)、PANSS陰性症状項目(L:-2.9 vs P:-1.3; p=0.025)、さらに全般印象評価尺度-重症度(CGI-S:Clinical Global Impressions-Severity of Illness scale、L:-0.6 vs P:-0.2; p=0.007)など全ての副次評価項目で有意な改善を示しました。

また、ルラシドンは統合失調症に関連するうつ症状に対してMontgomery-Asberg Depression Rating Scale (MADRS) で有意な改善を示しました。MADRS スコアでの平均変化量はルラシドン投与群が-2.9、プラセボ投与群が-0.1 (p=0.019)でした。

ルラシドンの体重(中央値でプラセボ群0.5kgに対して、ルラシドン投与群は0.9kgの体重増加量)、脂質、血糖値への影響はプラセボ投与群と同程度でした。その他、錐体外路症状(Simpson-Angus スケール)および遅発性ジスキネジア(Abnormal Involuntary Movements スケール)ではプラセボ投与群に比較して臨床的に重要な差は見られませんでした。アカシジア(Barnes Akathisia スケール)では、ルラシドン投与群はプラセボ投与群に対して有意に増加しているものの、変化はわずかでした。

本試験ではルラシドン投与群での有害事象は全般的に軽度であり、高い忍容性を示しました。10%以上の発現率であった有害事象は、悪心(L:16% vs P:3%)、頭痛(L:11.1% vs P:10%)、便秘(L:11.1% vs P:5.6%)、嘔吐(L:11.1% vs P:5.6%)、消化不良(L:11.1% vs P:3.3%)、傾眠(L:11.1% vs P:3.3%)、不眠(L:10.0% vs P:3.3%)、眠気(L:10.0% vs P:4.4%)でした。ルラシドン群での中止脱落率(42.2%)はプラセボ群(48.8%)より低く、有害事象による中止脱落はわずかでした(ルラシドン投与群6.7%、プラセボ投与群1.1%)。

以上

(ご参考)

【米国第Ⅱ相臨床試験のデザイン】
本試験は米国で実施された多施設共同プラセボ対照二重盲検比較試験で、DSM-IV基準に基づいて診断された急性期の統合失調症の入院患者においてプラセボに対するルラシドン80mg/日の6週間投与の有効性を検討したものです。合計180人の患者が等しく2群に割りつけられ、少なくとも投与後28日間の入院にて試験を実施しました。主要評価項目はPANSS評価をもとに計算されたBPRSdで、副次評価項目はPANSSの合計スコア、陽性症状スコア、陰性症状スコア、一般精神病理スコア、認知機能スコア、CGI-SおよびMADRSでした。

【ルラシドンについて】
ルラシドンは、当社が創製し開発している新規化合物で、ドパミン-2、セロトニン-2A、セロトニン-7、セロトニン-1Aおよびノルアドレナリン-α2cレセプターに高い親和性を示すという特徴的な受容体結合プロフィールを有しています。また、ルラシドンは、ヒスタミン-1とアセチルコリン-M1レセプターに対しては低い親和性を示します。

【統合失調症について】
統合失調症は、慢性的に日常生活に支障をきたす深刻な疾病であり、米国だけで2百万から3百万人、世界中では2千4百万人以上が罹患しています。統合失調症は、男女の区別なく同様に発症し、世界的にその率に人種差はありません。統合失調症は治療可能な病状であり、環境要因と遺伝的要因の組み合わせにより発症すると考えられています。症状は、幻覚、妄想、思考障害、意欲低下、感情低下などの陽性、陰性症状だけでなく、記憶力、注意力または計画、体系付けあるいは決断する能力の障害、などの認知機能障害があります。米国における統合失調症治療にかかる総費用は2002年で$62.7billionであり、そのうちの直接の医療費は$22.7billionといわれています。