中期経営計画

第三期中期経営計画の策定

当社は2013年2月に、2013年度を起点とする5ヶ年の第三期中期経営計画を策定しました。

当社は、2007年の第一期中期経営計画策定時に、10年後のあるべき姿として、①国内事業を強固な収益基盤として確立、②海外自販の進展、③開発パイプラインの充実、とする中長期ビジョン(以下2017年ビジョン)を制定し、その先の15年後の将来像として、グローバルレベルで戦える研究開発型企業となり、国内・海外事業が収益の2本柱となることを目指して事業活動を進めてまいりました。

当社が2010年に策定した、5ヶ年の第二期中期経営計画は、約3年経過した時点において、国内では売上・利益ともほぼ計画通りに進捗し、北米においても売上を拡大しました。また、がん領域における有望な化合物と創薬プラットフォームを獲得するなど、研究開発面でも大きく進展しました。

しかしながら、2014年度に向けては、国内では長期収載品の収益下落リスクが急速に拡大し、北米においては新製品の上市遅れなどの要因から、利益目標達成が困難になりつつあります。また、がん領域への展開など、将来に向けて当社の事業構造は大きく変化しています。

これらの状況に鑑み、当社は2013年度から5ヶ年の第三期中期経営計画を策定するに至りました。

最先端の技術で医療に貢献 グローバルレベルで戦える研究開発型企業

第三期中期経営計画では、2017年ビジョンを達成するとともに、その先のさらなる成長を遂げるべく、新たにビジョン「グローバルレベルで戦える研究開発型企業」「最先端の技術で医療に貢献」を設定して、イノベーションに挑戦します。

経営目標

第三期中期経営計画 2017年度経営目標の変更(2016年5月見直し)

経営目標 2015年度(実績) 2016年度(予想) 2017年度
売上高 4,032億円 4,100億円 4,400億円
営業利益 369億円 400億円 500億円
研究開発費 820億円 845億円 850億円
EBITDA 558億円 610億円 750億円
為替レート 120.2円/$ 110.0円/$ 110.0円/$

※支払利息、税金、減価償却費控除前利益

第三期中期経営計画の基本方針

以下の5つの基本方針のもと、戦略的に事業活動を推し進めるとともに、事業基盤の強化に努め、持続的な成長に向けて邁進します。

1.強固な国内収益基盤の確立
2.海外事業の収益最大化とさらなる事業拡大
3.グローバルレベルのパイプライン充実
4.CSRと継続的経営効率の追求
5.挑戦的風土の確立と人材育成

第三期中期経営計画における戦略

(1)製品戦略

グローバル戦略品である非定型抗精神病薬「ラツーダ」(一般名:「ルラシドン塩酸塩」)については、効能追加による製品価値最大化および事業地域の拡大によって、ブロックバスターへの育成を目指します。

がん幹細胞への効果を持つ世界初のがん治療剤として開発中のBBI608やBBI503の早期上市を目指します。さらに、精神神経領域、がん領域を中心とした「ポスト・ラツーダ」候補となるパイプラインの開発成功、積極的な導入や戦略的提携の推進を通じて、新薬を成長ドライバーとしたグローバルな事業拡大を図ります。

ラツーダ(ルラシドン)ビジネス最大化
がん領域新製品(BBI608、BBI503)の開発成功
ポスト・ラツーダ候補の開発成功
積極的な導入、戦略的提携の推進
新薬を成長ドライバーとしたグローバルな事業拡大

(2)領域戦略

精神神経、がん領域に研究開発をはじめとした経営資源のシフトを進めており、本中期経営計画期間においても引き続き同領域に積極的に経営資源を投入していきます。これにより、本中期経営計画の最終年度までには、精神神経領域およびがん領域をグローバルな事業の柱へ育成していきます。

研究開発リソース配分 (2013年度予定)

研究開発リソース配分 (2013年度予定)

領域別売上規模

領域別売上規模

(3)地域戦略

日本および北米事業の維持・拡大に最優先で取り組みます。

日本では、循環器・糖尿病領域の「アイミクス」、「メトグルコ」、「シュアポスト」、および、精神神経領域の「ロナセン」、「トレリーフ」という成長品目に経営資源を集中投入して事業規模の維持・拡大を図ります。また、本中期経営計画期間後半には、ルラシドン塩酸塩、BBI608というグローバル製品の国内上市により、国内事業の拡大を図ります。さらに、導入・提携の推進にも積極的に取り組みます。

北米では、「ラツーダ」の売上拡大と「アプティオム」の上市により、既存製品の売上減少の影響を最小限にとどめます。本中期経営計画期間後半には、がん事業の立ち上げと速やかな事業拡大、新製品の上市により、北米事業の飛躍を目指します。また、事業拡大に向けた投資を継続して行っていきます。

中国では、現在開発中の3製品の上市により事業拡大を図ります。欧州では、英国でのルラシドン塩酸塩の自社販売を開始し、さらなる販売地域の拡大も検討します。東南アジアにおいても、ルラシドン塩酸塩を足がかりとした事業参入を図り、オセアニア地域への事業拡大も検討します。

事業展開地域の拡大

事業展開地域の拡大

地域別売上目標(2016年5月見直し)

地域別売上目標

(4)研究開発戦略

アンメット・メディカル・ニーズの高い精神神経領域とがん領域を研究重点領域とし、革新的な新薬の創出に全力を注いでいきます。

精神神経領域では、治療満足度の低い症状の改善や、既存薬で充分な有効性が得られていない患者さんの治療に焦点を当て、統合失調症、うつ病やアルツハイマー病等の研究開発を推進していきます。

がん領域では、ボストン・バイオメディカル社(米国)、トレロ・ファーマシューティカルズ社(米国)とがん創薬研究所(日本)からなるグローバルな研究開発体制のもと、がん幹細胞の領域で世界をリードするとともに、画期的な製品の継続的創出を目指します。

さらに、iPS細胞などの最先端サイエンスを創薬に応用するとともに、細胞医薬や再生医療の取り組みを強化し、難治性疾患の治療薬の開発にも挑戦します。

【研究重点領域】

  • 精神神経領域
  • がん領域

【新規分野の開拓】

  • 治療薬のない疾患分野
  • 再生・細胞医薬分野

精神神経領域

  • ・アンメット・メディカル・ニーズの高い精神疾患領域(統合失調症、うつ病、認知機能障害)の治療薬にフォーカス
  • ・アルツハイマー病、神経障害性疼痛、発達障害、神経変性疾患への取り組み

がん領域

  • ・ボストン・バイオメディカル社(米国)、トレロ・ファーマシューティカルズ社(米国)およびがん創薬研究所(日本)の強固な連携の下、先端的、画期的な製品の継続的創出を目指す
  • ・がん幹細胞(Cancer Stem Cell)の領域で世界をリード
  • ・がん免疫療法や新規コンセプトに基づく創薬への挑戦

新規分野の開拓

  • ・治療薬のない疾患分野および再生・細胞医薬分野において世界初の治療薬の創出を目指す

株主還元

企業価値と株主価値の持続的かつ一体的な向上を基本とし、安定的な配当に加え、業績向上に連動した増配を行っていきます。

投資戦略

事業基盤の強化およびCSR経営の推進

事業環境の変化に機動的に対応できる強固な事業運営体制を確立するため、経営効率を追求するとともに、強い企業文化の確立を図ります。

また、企業理念・経営理念・行動宣言のさらなる浸透、グローバルでのコーポレートガバナンスの強化、国内外での社会貢献活動の推進と社員活力の向上、多様なステークホルダーとのコミュニケーションを推進します。