製品の安全性確保の取り組み

品質保証体制

品質保証体制医薬品の製造にあたっては、高度な品質を確保するため各国でGMP(医薬品の製造管理および品質管理規則)が厳格に定められています。FDA(米国食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)、TGA(豪州医薬品管理庁)など輸出国政府機関の承認を得て、世界各国に輸出されており、欧米のGMPが当社グループの運用標準となっています。さらに、海外提携企業の監査、ICH(日米EU 医薬品規制調和国際会議)のガイドラインをはじめとした、グローバルレベルの厳しい品質基準もクリアする高い設備設計水準や品質保証体制を整えています。

これら品質保証水準は、今後ますます厳格化していくと予想されます。そのため当社の工場では、新固形製剤棟や無菌保証レベルを向上させるRABS(アクセス制限バリアシステム)をはじめ積極的に設備投資を行い、より高品質の医薬品を提供し続ける体制の強化を図っています。

品質情報システムによる問い合わせへの迅速な対応

品質情報システムによる問い合わせへの迅速な対応当社は、医療機関からの品質に関する問い合わせに迅速に応えることを目的として、品質情報システムを構築し、GQPの省令のもとで運用しています。
品質情報システムに医療機関からの問い合わせが入力されると、その製品を製造した工場がすぐに同一ロットの保存品の調査、製造記録書の調査、現品の品質確認、発生原因調査などを実施し、必要に応じて再発防止策を立案・実施します。

このシステムには、安全管理部門、薬事部門、営業部門、製造部門、品質保証部門のメンバーがアクセスでき、安全面での評価、代替品の手配などを迅速に行うことができます。さらに、情報検索機能を駆使して製品や期間ごとの発生傾向を解析することで、同種事例の発生予防にも効果を上げています。2012年度からは、MR(医薬情報担当者)が持つタブレット端末からもこのシステムにアクセスできるようにし、また、頻繁に受ける問い合わせへの基本回答を閲覧できるようにしたことで、より迅速な問い合わせへの対応が可能になりました。

グローバル安全情報(症例情報)への取り組み

医薬品が製造販売承認を受けて市販され、多くの患者さんにさまざまな状況の下で使用されるようになると、開発段階では予測できなかった副作用などが明らかになることがあります。このため、市販後は医薬品の安全性や有効性について幅広く情報を収集・評価し、医薬品のベネフィットとリスクとのバランスを考慮したうえで、医薬品の適正使用を推進することが必要です。また、医療現場で適正に使用していただくためには必要な情報を迅速に提供することが重要です。
当社では、国内においては医薬品医療機器等法やGVP1を遵守したファーマコビジランス(医薬品安全性監視)活動を行い、医薬品の安全性確保や適正使用の推進に努めています。また、海外グループ会社を含めたグローバルなファーマコビジランス体制を構築し、複数国で開発または販売されている当社製品の安全性に関する情報を一元管理して評価し、医薬品の安全性確保のために必要な対策を決定しています。

※1:Good Vigilance Practice「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準(製造販売後安全管理基準)」

医療機関への迅速かつ正確な情報提供体制

当社では、医薬品の持つ有効性がより安全に発揮されるよう、適正使用情報を迅速かつ的確に医療現場に提供しています。
例えば、添付文書に新たな使用上の注意を追加する場合、処方する医師や薬剤師の先生方に対し、「使用上の注意改訂のお知らせ」文書を用い、どのような副作用に注意が必要なのか、その症状や対処方法は、などについて説明しています。また、医療機関で患者さんに説明するための資料として、主に薬の服用方法や、副作用の具体的な症状などについて記載した「くすりのしおり」や「指導せん」を作成しています。特に「指導せん」は、高齢者や子どもの患者さんにも伝わりやすいように、イラストを用いるなどポイントが一目でわかるような工夫をしています。
また、2012年度からMR(医薬情報担当者)が持つタブレット端末を活用した安全性情報の提供を始めました。これによりMRから医療機関の先生方にわかりやすく正確な情報を迅速に提供できるようにしています。

図解:安全性情報の流れ

製品情報検索システム「DI-SaGaS」

医薬品は、有効かつ安全に使用されるための製品情報を得てこそ、はじめてその効果を発揮するものです。当社は、製品情報の迅速かつ的確な提供が、顧客にとっての医薬品の価値向上にもつながると考えています。そのため、当社では医療関係者からのMRやくすり情報センターへの問い合わせに対し、製品情報検索システム「DI-SaGaS(ディーアイ サガス)」を利用し、迅速かつ的確に製品情報を提供しています。

医療関係者の安全性情報への要望が高まってきていることから、今後は、医療関係者のニーズを意識した内容の見直しやコンテンツの充実を図り、情報の信頼性の向上と顧客満足につながる情報提供に努めていきます。

図解:製品情報システム「DI-SaGaS」における関係図