医療アクセス向上の取り組み

医療が進歩した現代においても、いまだ十分に満たされていない医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が数多く存在しており、研究開発型の製薬会社は、革新的な新薬の研究開発によって課題を克服する使命を担っています。また、世界には、医療システムの不備や貧困などにより、すべての人が平等に必要な医療処置を受けることが困難な地域・国が存在します。このような「医療アクセスに関わる課題(Access to Medicine, Access to Healthcare)」に対して、当社は、政府機関、国際機関、研究機関、市民社会との連携により、また当社製品の研究開発により、課題解決に取り組んでいます。

基本的な考え方

国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられています。保健分野においては、目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」が定められています。

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に対する取り組み

当社は、企業理念に「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」を掲げています。
研究重点領域である精神神経領域およびがん領域、さらには治療薬のない疾患分野や再生・細胞医薬分野に対して、最先端の技術による革新的な新薬の創出に挑戦し続けるとともに、医療システムの改善が必要な地域・国への支援活動に取り組み、医療アクセスの課題解決を目指します。

パートナーシップ活動「Access Accelerated」への参画

当社は、グローバルに事業を展開する研究開発型製薬企業の一員として、世界22社の製薬企業によるパートナーシップ活動である"Access Accelerated"に参画しています。
この活動は、22社が協働で、低所得国および低中所得国を対象として、非感染症疾患の医療アクセス向上に取り組むものです。また、22社が各自で実施しているプログラムを共通フレームワークで評価し、医療アクセス向上のさらなる効率化を目指します。

トップコミットメント

国連が掲げるSDGsの1つである【目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する】は、1社が単独で取り組むにはあまりに高い目標です。22社が参画するAccess Acceleratedは、その達成を目指すための大きな力になるはずです。グローバルな医薬品業界の一員である当社は、精神神経領域やがん領域を重点領域とする医薬品企業として、これからも医療アクセス問題に取り組み続けます。

Access Accelerated 公式ウェブサイトはこちら

大日本住友製薬株式会社
代表取締役社長 多田 正世

医療アクセス向上を目指した取り組み

当社は、医療アクセスの向上を目指した取り組みを重視しており、世界の保健医療の向上に取り組んでいる各種ステークホルダーに対する、以下の支援活動に継続的に取り組んでいます。

母子の健康改善プログラムの提供

当社は、カンボジアのコンポンチャム州を対象に、母子の健康改善プログラムを提供しています。NPO、現地政府、地域社会と連携し、妊婦健診、乳幼児健診、栄養や衛生に関する定期教育、保健人材の家庭訪問などに取り組んでいます。

マラリア制圧に向けた取り組みへの資金提供

HIV/エイズ、結核、マラリアの3大感染症は、一国のみで解決できる問題ではなく、世界各国が協力して対策を進めなければならない地球規模の問題です。当社は、アフリカおよびアジアの数カ国において、マラリア制圧に向けた取り組みを支援しています。NPO、現地政府、地域社会と連携し、ザンビア、タンザニア、インドネシアにおける蚊帳や簡易検査キットの配布や教育支援活動、日本国内におけるマラリア啓発イベント開催への協力を行っています。

人材育成や疾患啓発の取り組みへの資金提供

当社は、途上国における医療アクセス向上に向けた取り組みを支援しています。NPOと連携して、バングラデシュでは看護師育成プロジェクトを、またハイチでは医師育成プロジェクトとともに結核検診プロジェクトへの協力を行っています。

グローバルヘルス技術振興基金への参画

当社は、GHIT Fund(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金; Global Health Innovative Technology Fund)に参画しています。
GHIT Fundへの参画を通じて、アンメット・メディカル・ニーズが高いNTDs(顧みられない熱帯病)やマラリアなどの疾患領域において、当社の持つ革新的な創薬技術の活用可能性を探り、医薬品アクセスの向上を目指します。

偽造医薬品対策

違法に製造・流通された医薬品(偽造医薬品)は、治療効果が得られないばかりではなく、予期せぬ副作用により患者さんの生命を危険にさらすことがあります。その脅威は世界的に増大しており、流通量および標的となる地域は拡大しています。また、これらの流通は、犯罪組織やテロ組織の財源になりやすいことから、国際的な問題となっています。

当社は、製品の安全性と安心を確保するために、他の製薬企業と共に業界団体や国際機関の取り組みに参画し、最新の情報収集・情報交換に努めています。具体的な取り組みは、以下のとおりです。

国際機関と連携した偽造医薬品対策の取り組み

製薬防護研究所(PSI: Pharmaceutical Security Institute)への参画

偽造医薬品に対する情報収集と対策推進のために、当社は、製薬防護研究所(PSI: Pharmaceutical Security Institute)に加盟し、グローバルに事業を展開する国内外の製薬企業と連携しています。PSIは、2001年に米国で設立された非営利組織であり、企業と各国当局との橋渡しなどに協力するほか、偽造医薬品に関する情報発信を進めています。

インターポール(国際刑事警察機構)と連携した医薬品犯罪への取り組み

当社は、グローバルに事業を展開する製薬企業29社(うち国内企業は、当社を含む8社)と共に、インターポール(国際刑事警察機構)に対し、2013年から3年間で総額450万ユーロの寄付を行っています。
寄付金は、偽造医薬品に関する一般市民への周知活動や、医薬品犯罪に特化した捜査員の育成などを含む医薬品犯罪防止のための取り組みに活用されます。

未承認薬・適応外薬の開発要望への対応

欧米等では使用が認められているものの、国内では承認されていない医薬品および適応については、厚生労働省が開発要望を募集し、寄せられた要望について「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性を評価するとともに、承認申請のために実施が必要な試験の妥当性や公知申請への該当性を確認することなどにより、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発を促しています。

当社は、開発の募集および要請に対し、以下のとおり対応しています。

開発募集・
開発要請
製品名 適応症 開発状況
第Ⅱ回 チオテパ
(一般名)
・自家又は同種造血幹細胞移植の前治療(成人)
・自家又は同種造血幹細胞移植の前治療(小児)
対応中
第Ⅰ回 アムロジン® 高血圧症に対する小児用法・用量の追記 2012年6月22日承認済
第Ⅰ回 メトグルコ® 2型糖尿病に対する小児用法・用量の追記 2014年8月29日承認済